直腸カルチノイド
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今回は“直腸カルチノイド”についてです。
直腸カルチノイドとは?
直腸カルチノイドとは、直腸の神経内分泌細胞から発生する腫瘍のことを指します。これらの腫瘍は、一般的には低度から中度の悪性度を持ち、全身にホルモン様物質を分泌することがあります。そのため、カルチノイド症候群と呼ばれる特有の症状群を引き起こすこともありますが、直腸カルチノイドの場合は症候群を伴わないことが多いです。早期発見が可能であれば治療成功率は高く、定期的なスクリーニングが推奨されます。
直腸カルチノイドの症状は?
直腸カルチノイドは初期段階では症状が少ないため、自覚症状がないことが一般的です。しかし、腫瘍が成長するにつれて直腸出血や排便時の不快感などの症状を引き起こすことがあります。進行した場合には腹痛、便秘、体重減少といった症状が現れることもあります。これらの症状は他の直腸の疾患と共通しているため、専門的な検査を行うことで正確な診断が必要です。
直腸カルチノイドの原因は?
直腸カルチノイドの正確な原因は現在も明らかではありませんが、遺伝的要因や家族歴が影響を与える可能性が指摘されています。加えて、慢性的な炎症や特定の遺伝的症候群が関連しているケースも報告されています。しかし、多くの患者様では明確な原因は特定されておらず、研究が続けられています。
直腸カルチノイドの検査・治療は?
直腸カルチノイドの診断には、直腸内視鏡検査が一般的に行われます。この検査を通じて腫瘍の発見と同時に組織のサンプルを採取し、病理検査で確定診断を行います。他にも、血液検査や画像診断が補助的に利用されることがあります。治療方法としては、腫瘍の大きさや拡がりに応じて外科的手術が中心となります。小さな腫瘍の場合は内視鏡的手術が適応となることが多く、大きな腫瘍や周囲組織への浸潤が見られる場合には開腹手術が必要となります。また、腫瘍がホルモンを過剰に分泌している場合には、対症療法としてホルモン抑制薬を用いることもあります。
直腸カルチノイドに関連する症状やご心配事があれば、どうぞ大阪市北区のたむらクリニックまでお気軽にご相談ください。





